田舎暮らし
2019年10月26日土曜日
ギボウシ
また一人媼は逝けり天国へひぐらしの鳴く九月の二日
父母祖父母眠る墓には枯れた花無沙汰を詫びて水を手向ける
飼い猫は我の枕に頭乗せ夢を見るのかにやりと笑う
池の蓮いつしか枯れてギボウシがいつの間に咲く涼しき朝に
翁来て昔を語る高野にて魚を商い儲けたことも
2019年1月11日金曜日
冬に咲く
里の冬鳥も鳴かずに静まりてひとり宇宙の真ん中にいる
冬に咲く紅鮮やかな山茶花は凍てつける地に燦然と立つ
里の人消火の水も届きかね丸焼けとなり呆然と立つ
冬空に皇帝ダリアの咲き誇り見あげる宙に浮く雲一つ
猫帰りいよいよ明日は正月か息子の家族と一匹まじえ
つわぶき
つわぶきが石の陰から顔を出す恥ずかしそうに黄色い顔を
秋の日に大阪の友急にきて中国土産の酒置き帰る
夕暮れてどこに居たのか猫帰る体にあまた草の実付けて
秋日和自慢の作品持ち寄りて公民館は二日賑わう
聞き慣れぬ気胸とう病み友胸に管を入れられ寝台に伏す
2019年1月7日月曜日
秋風
いつの間にギボウシが咲き秋風が蝶をいざない先祖連れ来る
祖父母らの眠る墓場に繁茂する蕨刈り取り迎える彼岸
秋彼岸蕨が茂るわが墓地にトンボが来てる蝶が来ている
秋晴れの敬老の日に配られし長寿者名簿についにわが名が
寝ていると猫わが腹に乗りてきて心地よいのか体舐めなめ
横着な猫
名を呼べば尻尾で応え知らぬ顔横着な猫を抱きしめたくて
この猛暑に友海釣りにと誘いくる何とか断り難を逃れる
わが池に遅れ鳴きだす牛蛙これも酷暑のなせるわざかな
ライバルは中国なるやアジア大会技を競いメダルを競い
盂蘭盆会送り火焚いてお帰りを浄土と現世のどちらが暑い
一陣の風
一陣の風ありがたくて空仰ぐ酷暑の中にも神はいるのか
草覆う休耕田に猪が来て掘り返しては遊
ばすなよと
冷房のききたる部屋に引きこもり郵便箱を覗くが日課
わが猫はどこかに出てゆき空腹になると帰りてまたいずこへと
真夏日に町の選挙の候補者ら一票くれよと必死に叫ぶ
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